News![]() 2023年6月25日 東大阪に新規オープンするギャラリー・フェアトレード雑貨店「WellBeeing」にて、作品展示とグッズ販売を致します。6月24日のプレオープンには作家本人が在廊予定です。
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感触を描くということ感触って、どうして取っておくことができないんだろう?
目で見たもの、耳で聞いた音は写真や録音に残せるし、味や香りも、残しておく方法はあるけれど感触は、手放したら すぐさま消えてしまう。 あとに残るのは「温かかったな」とか「優しかったな」という思い出、あるいは「もっと触れていたかったな」という、ある種の喪失感だけ。 だから「感触」という形のないものに宿る、美しさや温もりや悲しさを形ある作品に留めたいと思い、紙や布地に残る折り跡や凹凸といった「跡形」を描く作品を、数多く作っています。 現代、いろいろなことがリモートでできるようになってきて、どんなことも、インターネットで調べれば大抵載っている。 とても便利な時代になったものだと思うけれど、画面越しの経験や知識だけでは、「実感」というものが、世の中からだんだんと薄れていってしまっている気がします。 例えば花屋の包み紙は、花と私の掌に直接触れていた、だから、二つと同じ形のないこのシワが紙に残った。 紙が私で、花があなただと考えるならば、私とあなたが直接触れ合えたから、私にこういう「跡形」が残った。 その跡形は、学びや成長のような変化か、あるいは傷跡かも知れないけれど、そういう確かな跡形を自分の中に刻むことを、「実感」と呼ぶのでしょう。 そして、私たちが生きていくなかで一番大切なことというのは、ただ新しいことを知る、知識を得ることではなくて、もうすでに頭では知っていることでも、それを経験を通じて本当の意味で「実感」して自分に刻み、二つと同じ形のない「私」という作品を、長い時間をかけて形成していくことなのだと思うのです。 |
Life Garden東京都出身、早稲田大学第一文学部哲学科卒
外資系企業勤務を経て、2013年より Life Garden 名義で音楽制作・演奏活動を開始。 2020年より油彩・鉛筆画・スプレーアートなどを組み合わせた技法によるビジュアルアーツの制作活動を開始。 東京都内で喫茶店を経営しつつ、ビジュアルアート作品制作や音楽表現を通じ、人間の内面に潜む哀しみや温もり、形にならない想いを表現する。 おもな展示 ・2021年10月 Gallery 2511 (東京神保町)ミニアート展2021 ・2021年11月 二人展「跡形の向こう」開催(東京都調布市) ・2022年4月 ギャラリー国立(東京都国立市)春の小作品展 |